18. プロミネンスってなに?

水素原子の出す特別な赤い光で観測すると、太陽の縁の外に、盛り上がった構造を見ることができます。下の写真を見て下さい。まるで炎が噴き出しているようですね。これがプロミネンスで、日本語では紅炎(こうえん)と呼ばれます。

太陽表面(つまり光球)の上には、彩層と呼ばれる大気の層があり、その上にはコロナが広がっています。彩層の濃いガスが、採層よりもずっと希薄なコロナの中へ伸び、磁石の力(磁力線) で支えられて持ち上げられたものが、プロミネンスです。

太陽の縁ではなく、中央付近にあるプロミネンスは、暗い筋状に見えます。これは、暗条(あんじょう、つまりダークフィラメント)と呼ばれています。プロミネンスの物質が光球からの光を吸収してしまうために、暗く見えるのです。プロミネンスとダークフィラメントは、実は同じものなのです。

京都大学飛騨天文台で撮影されたプロミネンス