50. 宇宙には風がいっぱい!
6で説明しましたように、星の一生は生まれたときの重さ(質量)でほぼ決まります。星の年齢と重さが分れば、その星の姿を想像することができるというわけです。
太陽は人間で言えば、大人の星。太陽と同じ程度の重さがある大人の星からは、太陽風と同じような風(恒星風と呼びます)がいつも吹き出しています。また、重さは太陽と同じでも、年齢の若い星(原始星)からは、太陽風とは異なる風が激しく吹き出しています。
反抗期といえそうな時期の星の風は、双極分子流とか宇宙ジェットと呼ばれていて、星が大人になってゆく過程で、重要な役割を演じていると考えられています。大人の星であっても、太陽より重い場合、太陽風とは異なるタイプの恒星風が吹いているようです。星は老いて最期が近づくと、不安定になります。恒星風も激しく変動することになるでしょう。
星の最期もまた、重さによって大きく異なります。太陽クラスの重さの場合、星はエネルギーを使い果たしてくると、膨張して、ガスを緩やかに放出します(惑星状星雲)。
一方、重い星の最期は非常に華々しくて、大爆発を起こします。超新星爆発という言葉を聞いたことがあるでしょう。このときの爆風は衝撃波となり、宇宙を伝わってゆきます。
宇宙は、星々からの風で満たされているのです。

ハップル宇宙望遠鏡で観測された宇宙を吹くさまざまな風