31. 太陽風ってなに?

22 で触れた太陽風について、説明しましょう。コロナのガスは温度が 100 万度以上にもなるため、水素原子は陽子と電子に分解しています。陽子と電子を主成分とするコロナガスは、外に流れ出し、惑星間空間を毎秒 300 ー 800 km の速さで吹いています。このガスの流れを太陽風と言うのです。

太陽風の成分のほとんどは、プラスの電気を持った陽子と、マイナスの電気を持った電子です。このような電気を帯びたガスをプラズマと言います。太陽風にはプラズマの他に、ヘリウムや酸素、シリコン、鉄など、重い原子のイオンが数パーセントほど混じっています。プラズマは磁力線を閉じこめる性質があるので、太陽風は、太陽の磁力線をも惑星間空間に引っ張り出してきます。つまり、太陽風は磁気と電気を帯びたガスの流れなのです。