30. 過去の太陽活動をどうやって知るの?

ガリレオによる黒点観測から今までの 400 年間については、太陽面のスケッチが記録として残っています。では、それより前の太陽活動は、どうすれば知ることができるのでしょう。1 つの方法として、屋久杉のような長生きをした木の年輪を調べる方法があります。

どんな方法なのか、まずは銀河宇宙線から説明しましょう。宇宙のはるかかなたから飛来してくる高エネルギー粒子、銀河宇宙線。太陽活動度が上がると、地球に降り注ぐ銀河宇宙線の量が減るという関係が知られています。これは、太陽の強い磁場が、銀河宇宙線の流入を妨げるためです。さて、銀河宇宙線が地球大気と反応すると、放射性炭素がつくられます。ご存知のように、植物は光合成によって二酸化炭素を取り込みますね。この二酸化炭素には、宇宙線によってつくられた放射性炭素が含まれているのです。

木の年輪を1 年分ごとに調べて、放射性炭素の量を測定すれば、1 年ごとの宇宙線量が分ります。そうすれば、太陽活動度が推測できるというわけです。何千年にもわたって蓄積された極地方の氷からも、似たような方法で昔の太陽活動度を推測することができるんですよ。