25. コロナに穴があるってほんと?

ほんとです。コロナは、100 万度にも達する高温のガス。そのような高温のガスからは、X 線と呼ばれる光が放射されます。太陽全面の X 線写真を見ると、極域に暗い部分があります。これがコロナホール(コロナの穴)です。「オーロラ50 のなぜ」27 で、オーロラの原因の1 つがコロナホールだというお話しをしましたね。覚えていますか?

コロナホールは、基本的に単極(N 極ならN 極だけ、S 極ならS 極だけ)の磁場領域になっているので、“閉じた”磁力線が存在しません。磁力線に閉じ込められているガスが存在しないため、暗く見えているのです。

コロナホールは、1970 年代に NASA のスカイラブ衛星によって、初めて観測されました。そのときは、人間が実際に衛星に乗り込んで、X 線カメラで太陽を撮影していました。その後 1990 年代には、日本の太陽観測衛星「ようこう」が CCD カメラを用いて、自動的に太陽の X 線写真を何百万枚も撮影し、コロナホールの研究が飛躍的に進みました。