10.水星って暑いの?

季節が変わるにつれて、寝苦しいほど暑くなったり、吐く息が白くなるほど寒くなったりします。これは、地球の自転軸が公転面に対して23度ほど傾いているために起こります。太陽光が当たる角度が少し変わるだけで暑くなったり寒くなったりするなんて、自然の仕組は偉大だと思いませんか?

水星は太陽からもっとも近くにある惑星です。太陽からの距離は、地球と太陽の間の距離の3分の1ほどしかありません。ご想像のとおり、水星表面の昼間の温度はとても高く、最高で430度にも達します。でも、夜になると一転して、一160度と超低温の世界になってしまうのです。こんなにも気温の変化が激しいのは、水星の自転がゆっくりで、一回転するのに59日もかかるから。長く続く夜の間に、表面がどんどん冷え込んでしまいます。ちなみにこの59日というのは、水星での1年の3分の2にあたります。このことから水星の1日を計算してみると、太陽が水星の空を一周するのに、なんと水星での2年もかかってしまうことがわかります。つまり水星では、朝起きてその日の夜をむかえるころには、もう1年が過ぎてしまっているのです。水星では、毎日2回ずつお正月行事をすることになるのでしょうか。