48.近い将来ほかの惑星に人類は住めるの?

みなさんは「テラフォーミング(Terraforming)」という言葉をご存知でしょうか。テラフォーミング(惑星地球化計画)とは、太陽系などにある天体を改造して、人類が定住できる環境に作り変えるという計画です。人類の生存拠点の拡大にとっては、スペースコロニー(Space colony)と並んで重要な計画です。テラフォーミングの候補としては、火星が最も有望視されています。

いかにして、火星の環境を人類が快適に生活できる状態にするか、その具体的な方法については、既にいくつかが検討されています。一つの例として、火星の極に存在する氷を溶かし、大気中に水蒸気と二酸化炭素を増やす、という方法があります。これにより、温室効果で気温が暖かく保たれることが期待できます。どのようにして極の氷を溶かすかというと、太陽の熱を集めるための大型の反射鏡を宇宙空間に設置するとか、爆弾を落して氷を溶かすという過激なものまであります。また、火星表面をおおっている炭素質物質を破砕してまきちらしたり、黒い微生物や藻類を用いることによって、太陽の入射光の吸収率を上げる方法も提案されています。

探査機によって火星の素顔が明らかになるにつれ、以前に考えられていた以上に火星は地球に近い素顔をもつことがわかってきました。それに伴い、火星のテラフォーミングの研究も進んでいます。