惑星の磁場と大気はどんな役割をしているの?

36.木製の衛星イオは巨大な発電機?

木星の衛星イオには、ロキ火山を始めとした活発な火山が多数存在しています。イオの火山は硫黄や二酸化硫黄(11を参照)のガスを吹き出し、一部のガスは宇宙空間にまで漂い出しています。漂い出た硫黄などのガスは太陽の紫外線で電離し、イオの軌道沿いに「イオ・トーラス」と呼ばれる直径80万キロメートルもの巨大なドーナツ状のプラズマ塊を形成します。このイオ・トーラスが木星の磁場の作用を受けて、巨大な発電機となるのです。

少し難しい話になりますが、電離した気体(プラズマ)が磁場を横切ると電場が生成され、発電が起こります。イオ付近のプラズマは秒速50キロメートルという、超高速のスピードで移動しています。このイオ・トーラスのプラズマが木星磁場を横切るときに、2兆ワットというとてつもなく大きなエネルギーの発電を起こすのです。2兆ワットというのは、原子力発電機1台の発電量のなんと2000倍にもあたり、日本国内での全発電量の20倍にもなります。ちなみに、イオ・トーラスで発電した電力の一部は、木星の極付近でのオーロラの発生に使われています。