42.水星に夕焼けはあるの?

地球の空が青いのは、青色の光が大気中でもっとも散乱されやすいからです。たとえば赤色の光にくらべて、青色の光は16倍ほども強く散乱されます。

では、夕焼けが赤いのはなぜでしょうか。夕方には、太陽の光は地平線に沿ってななめに進んできます。ですから、昼間よりも長い距離、大気の中を通過することになります。大気の層を長く通る間に青い光はどんどん散乱されていきますので、青い光は地表にはほとんど届きません。逆に赤い光はたくさん届きますので、地表に近い空は赤っぽく見えるのです(夕焼けの鮮やかさにはエアロゾルというのも関係しているのですが、ここでは省略します)。

大気をほとんどもたない水星には、そもそも青空がありません。宇宙船から外を見たときと同じように、真っ暗な空がひろがっているだけです。もちろん夕焼けも存在しません。