コラム 1 火星ラッシュ

2003 年末から2004 年にかけては「マーズラッジュ(火星への駆け込み)」と呼ばれたほど、火星への探査機到着が相次ぎました。NASA の火星探査車「スピリット」と10年以上にわたって活動した「オポチュニティ」から送られてきた火星表面の画像は、皆さんの記憶に新しいと思います。残念ながら、日本の火星探査機「のぞみ」や、ヨーロッパの探査機「マーズ・エクスフプレス」から送り込まれた小型着陸船「ビーグル 2」は失敗に終わりましたが、今後も続々と探査機が火星に到着する予定です。ちなみに、過去 40 年間に 30 数機の火星探査機が送り込まれましたが、20 機以上が失敗に終わっています。火星探査は難しい!

「スピリット」から見た火星の表面。小さな岩石がゴロゴロしている平原から、モグラが顔を出しそう! 2004 年 1 月撮影。くNASA 提供>

 

コラム 2 惑星のたなびく尻尾

太陽系外でも、惑星が続々と発見されています。ペガサス座の恒星の周りを回る惑星には、ナトリウムや水素などを含む大気が存在することが、ハッブル宇宙望遠鏡によって観測されました。この惑星の大気は高温で、まるで彗星のように、たなびく尾を作りながら宇宙空間に逃げ出していると考えられています。面白いことに、この尾のたなびきは恒星から見て斜めの方向を向いています。なぜ斜めにたなびいているのかはまだよくわかっていないのですが、恒星から吹き出すプラズマ流が関係しているという説もあります。

地球などの太陽系の惑星の磁気圏も、すこし斜めにたなびいています。太陽から常時吹き出しているプラズマ流(太陽風)は太陽から放射状に流れているのですが、地球などの惑星は太陽風の流れに対して横方向に公転していますので、磁気圏はすこし斜めにたなびく のです。