14. パイ中間子とミュー粒子の謎?

そこでもう少し詳しく、パイ中間子とミュー粒子の謎について紹介しましょう。

パイ中間子は、およそ20km上空の大気中で一次宇宙線により作られます。しかし、パイ中間子は原子核では”にかわ”の役目をしますので、大気の原子核ともすぐ衝突する性質があり、簡単には大気を透過できません。

しかし、観測されているミュー粒子は、物質をすいすいと通り抜ける性質があります。教室の屋上のコンクリートを平気で貫いて、教室の中までやってきます。このミュー粒子の性質はパイ中間子の性質と異なるものであり、1947年頃は大きな謎でした。なぜなら、パイ中間子とミュー粒子は質量が似かよっており、兄弟粒子と考えられたからです。でも、今日では二つの粒子は全く異なる種族に属していることがわかっています。