17. 宇宙線の中にどうしてクオークはないの?

1964年頃ゲルマンという米国の学者が、陽子の中には、1/3や2/3という分数で電荷をもつ、より基本的な粒子が存在するはずであると発表しました。クオークと呼ぶ素粒子です。

そこで、多数の宇宙線の中からクオークを見つける作業が盛んに行われました。しかし40年を経た現在、未だにクオークは見つかっていません。存在するのにどうして取り出せないのか?現代の大きな謎です。学者は、クオーク間には、“引き離そうとすればするほど強い力で離れないでおこうとし、放っておくとほとんどくっつかずにいる”という、不思議な強い力が存在していると説明しています

ここで、ゲルマンについてのおもしろい話を紹介しましょう。1980年頃、私が中東のアルメニア共和国に行った時、聞いた話

当時アルメニア共和国は、ソ連邦の一つの国でした。ゲルマンがアルメニアの研究所に着いた時、盛んにアルメニア語がどういう言語なのかを聞いたそうです。そして30分後に、彼はアルメニア語の文法はこうだろうと言って、正確にアルメニア語の文法を語り、みんなを驚かせたそうです。ゲルマンは素粒子の分類だけでなく、文法の天才であるということになりました。

発展編その1 まとめ

  1. 宇宙線を発見したのはヘスである。
  2. 宇宙からやってくる宇宙線の主成分は陽子である。
  3. 宇宙線は大気中でたくさんの子供粒子を作る。
  4. それらも宇宙線と呼ばれる。
  5. 二次宇宙線の中にはパイ中間子やミュー粒子がある。
  6. パイ中間子は湯川博士によって予言され、宇宙線中に見つかった。
  7. ミュー粒子には透過力があり、コンクリートの建物も透過できる。ミュー粒子はパイ粒子と異なる、まったく別の種類の素粒子である。
  8. 陽子の中にはクオークがあり、現在ではクオークが素粒子であると思われている。
  9. しかし、クオークはまだ宇宙線中で見つかっていない。