3. 霧箱はどう作るの?

それでは、宇宙線の実在を自分の目で確かめたい人のために、霧箱の作り方を伝授しましょう。霧箱とは、霧がいつも立ちこめている状態を人工的に作った箱のことです。霧箱を作るためには、エチルアルコール、ドライアイス、そしてビーカー、調理用ラップが必要です。エチルアルコールをビーカーの底に少量入れ、ビーカーの上に調理用ラップでふたをします。次に、ドライアイスをビーカーの底にあてて、冷やします。ビーカーは暗い部屋に置きます。しばらくすると、容器の中に霧が立ちこめてきます。

この状態で、ビーカーの中を懐中電灯の光を当てて注意深く見ていると、宇宙線の飛跡が瞬間的に見えます。宇宙線は絶えず地球にやってきていますから1年中24時間、いつでも見ることができます。

なお、霧箱は1927年ノーベル賞を受賞した、イギリスのウイルソン先生が発明したアイデアです。

ビーカーの上端をエチルアルコールで浸した綿で巻くと霧の発生が増大します。