35. 宇宙飛行士はなぜ3ヶ月交替で勤務するの?

応用編の最後として35と36では、放射線としての宇宙線の脅威について説明しておきます。

宇宙飛行士の宇宙空間での滞在が長くなってくると、宇宙飛行士はホームシックになって、家族や友達に早く会いたいとか、おいしいものを食べたいとか、様々な心理的な問題が発生してきます。また、無重力状態の所に長くいると骨が弱くなります。

しかし、それよりも大きな交代理由は、健康上の問題です。宇宙線の飛び交う宇宙空間に長く滞在すると、体に毒だからです。つまり放射線障害の危険性がでてくるということです。宇宙では宇宙線は人間にとって毒になります。

繰り返しになりますが、人間が地表に暮らせるのは、私たちが大気で守られているからです。大気は紫外線を吸収してくれているだけでなく、有害な宇宙線も吸収してくれています。

また、太陽宇宙線は人間だけでなく、人工衛星の太陽電池パネルの発電能力を弱めるという悪さをすることでもよく知られています。