電波の性質

1. 電波ってなに?

「電波」と聞いて、みなさんはなにを思い浮かべますか? ふだんの生活では、たとえば「携帯電話の電波が届かない」というように、電波の「状態」を表わすときに「電波」という言葉を使うことがありますね。でも、「そもそも電波ってなんなのか、説明してください」といわれると、少し困ってしまうのではないでしょうか。

電波とは電磁波と呼ばれるものの一部分で、「光」の仲間。電磁波は、電気と磁場の強さが時間とともに刻々と変化するものをいいます。電磁波のなかで、時間的な変化が比較的ゆっくり起こるものを特に「電波」と呼んでいます。

 ちなみに、電波法という法律では、「電波とは 300 万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう」と定義されています。なんだか、わかったようなわからないような、不思議な決まりですね。ヘルツ(Hz)というのは 1 秒間に 1 周期変動することですから、300 万メガヘルツ(MHz:メガは 100 万倍、つまり1000000 ヘルツのこと)というのは、とても「ゆっくり」とはいえないかもしれませんが、電磁波のなかで、電波は「ゆっくり」の部類なのです(6 参照)。