43. 太陽からやってくる電波とは?

太陽から放出される光(電磁波)は、私たちの地球にも大量のエネルギーを降らせ、地球の環境に大きな影響を与えています。太陽からの電磁波には、目で見える可視光だけでなく、X線や紫外線、赤外線から電波まで、さまざまな種類があります。

太陽から出る電波は、大きく2種類に分けることができます。1つは、コロナといわれる太陽の周りの高温ガスや、彩層という太陽表面のすぐ近くのガスから、ガス自体の温度にしたがって出てくる電波(熱放射)。もう1つは、フレアと呼ばれる太陽の表面での爆発現象によって、その付近にある電子が、太陽の持つ磁場の磁力線に沿って、高速で動きまわることにより出てくる電波(非熱的放射)です。

熱放射は温度によって決まるため、放射される量は時間的にはほとんど変化しません。それに対して、非熱的放射はフレアが発生した直後の短い時間だけ、非常に強い電波を放射します。

ようこう衛星によって観測された、1992 年 2 月 21 日に発生した太陽フレアのX 線写真。フレアのサイズは 10 万km にもなります。(提供:宇宙航空研究開発機構)