36. 電離圏ってどんなもの?

地球の大気圏の高度50km以上の場所では、太陽の紫外線やX線によって、空気の成分の一部が、電気的にプラスを帯びた原子(イオン)とマイナスの電子に分離します。これを電離といい、電離したイオンと電子でできた空気のことをプラズマといいます。電離する高層空気は、全体のわずか0.001%から0.1%程度な

のですが、それでも、地上付近に比べて、非常に多くの電気を帯びたイオンと電子が存在することになります。このような場所は、電離圏と呼ばれます。

太陽からきた紫外線やX線は、高度が下がるにつれて、空気を電離するエネルギーとして使われ、どんどん減少します。そのため、電離が起きる量は、ある高度で最大となります。実際には、異なる高度で層状に電離の効率が変わり、高度の低い方から「D層(高度60 - 90 km付近)」、「E層(90 - 130 km付近)」、「F層(130 - 1000 km)」と名付けられています。