46. 電波で宇宙のガスを観測できる?

宇宙空間にはたくさんの星がありますが、星以外にも、星間ガスと呼ばれるガスが漂っています。星間ガスはほとんどが水素で、平均すると1cc中に水素ガス1個くらいしかない、非常に希薄な状態で存在しています。また、銀河系のところどころには、水素ガスが集まって、1ccあたり100個から1000個程度もある場所があります。これらは星間分子雲と呼ばれ、新しい星が誕生している場所なのです。

星間ガスからは、ガスの成分に特有の電波が出ています。たとえば、星間空間の希薄な水素ガスからは、波長が21cmの電波が出ていますし、星間分子雲からは、その中に含まれている一酸化炭素ガスからの電波(波長は2.6mmなど)が出ています。これらの電波を観測することにより、星間ガスの分布を知ることができます。私たちの銀河系が渦巻き銀河であることは、水素ガスの分布の観測を通じて、初めて知ることができたのです。