15. 聞こえるのはなぜ?

夜中にAMラジオをつけたら、聞き慣れない言葉の放送が入ってきた…そんな経験をしたことがありませんか?これは、AMラジオ放送の電波の伝わり方が、昼と夜とで異なるために起こる 現象です。

AM放送は、「中波」という周波数帯(1 MHz 程度)の電波を使っています。地上から80kmから200kmくらいのところには、特定の周波数よりも低い電波を反射する「電離圏」という場所があります。電離圏は、高さによって反射する性質の異なる数種類の層からできています。なかでも中波の伝わり方に影響するのは、昼間にだけ現れる「D 層」と呼ばれるもの(37参照)。D層には、中波を吸収して、電波を減衰させてしまう性質があります。夜間になるとD層が消滅し、中波は減衰せずに、より高いところにある別の層で反射されるようになります。そのため、夜間にだけ外国のラジオ放送が聞こえるようになるというわけです。