5. 見えない電波をどうやって見つけた?

電波は 1888 年、ドイツの物理学者ヘルツが行った実験によって発見されました。ヘルツは、イギリスの物理学者マックスウェルが導き出した、電気と磁気に関する理論(マックスウェルの方程式といわれています)を実験によって検証することに成功し、電波の存在を世に示したのです。

ヘルツの行った実験は、銀箔を貼ったガラス瓶に電気をためたのち、放電させて電波を発生させ、端っこがつながっていない(下図の AB 間)輪状の導線にその電波をあてると、導線に電流が流れて AB 間で放電が起こるというものでした。

「空気中を伝搬する電波が電流によって作られ、さらにその電波から電流を作ることができる」ことを実験的に示したのです。ヘルツの実験から約 130 年がたち、電波は日常生活に欠くことのできないものになっています。