18.どうして大気のてっぺんは光るの?

オーロラや大気光はどうして光っているのでしょうか? 光を出しているのは、中間圏や熱圏に存在する大気の原子や分子。代表的なものは酸素原子、酸素分子、水酸(OH)分子、ナトリウム原子、窒素分子などで、こういった原子や分子は、原子核のまわりを電子が回っている構造をしています。まわりの電子が、外から何らかの原因でエネルギーをもらうと、原子核からより遠いところを回るようになります。これを励起状態と言います。励起状態の電子は不安定なので、元の位置に自然に戻っていくのですが、その時、そのエネルギーの差の分だけ、光を出すのです。

オーロラの場合は、宇宙空間から飛んできたプラズマが大気の原子や分子に衝突することによって、大気が励起状態になります。大気光の場合は、主に昼間の太陽紫外線をエネルギー源としています。この太陽紫外線のエネルギーは、さまざまな大気分子・原子の励起状態として大気中に蓄えられているので、大気光は夜でもわずかに光ることができるのです。

大気の分子・原子のまわりを回る電子が励起状態(点線)から戻る時に光が出ます。