3.大気のてっぺんは暑い?寒い?

皆さんは、高い山に登ると気温が低くなることを知っていますね。上へ行くほど気温が低くなるのは、対流圏の特徴です。これは、太陽光で地表面が暖められて、それが空気にも伝わっているためで、高度が上がる(地表面から遠くなる)ほどどんどん気温が下がります。

高さ 10 km を超えて成層圏に入ると、空気の中にオゾンが含まれるようになります。オゾンは太陽からの紫外線を吸収して熱を出すので、いったん冷えた空気は、ここでまた暖められて温度が上がります。オゾン層の効果がなくなって、また空気が冷えるのが 50 km より上の中間圏。

大気の温度構造とそれぞれの高さの名前。

高さ 80-90 km の中間圏の上端では、温度が摂氏-90 度くらいまで冷えます。ここは地球上で最も気温の低いところなのです。その上は熱圏で、オゾン以外の物質が紫外線を吸収して、大気は暖められ、温度は 1000 度にも達します。

1000 度といえば、とても暑い(熱い!)ように思いますが、実際には空気はかなり薄くなっているので、さわっても熱くはありません。この熱圏の温度は、昼夜の違いや太陽の活動によって500 度から 2000 度以上まで、大きく変動しているのです。