39.大気のてっぺんまで行くことはできるの?

大気のてっぺんを調べるには、そこに行って直接その場所を測定すれば良いように思えますね。しかし、高さが 50 km から上の中間圏、熱圏、電離圏は、実はとても行きにくいところ。飛行機はせいぜい 20 km くらいまでしか上がれませんし、最も高く上がる無人気球でも、50 km くらいが最高です。一方、人工衛星は高度が低くなると大気の摩擦ですぐ落ちてしまうので、長い時間飛翔できる高さは 300 km よりも上です。従って、大気の気温が急激に変わる中間圏の上部(80-100 km)や、電離圏の E 領域(90-130 km)あたりは、直接測定することが最も難しい高さなのです。

唯一の可能な方法は、観測ロケットを打ち上げること。ですが、

何回も上げることは難しいので、本当に限られたデータしか得ることができません。大気のてっぺんの観測は、地上からのリモートセンシング(遠隔走査)観測や人工衛星観測によるものがほとんどです。