23.夜行雲ってなに?

緯度の高いヨーロッパやカナダなどでは、夏の夕方に日が沈んでから、空に明るく輝く雲が現れることがあります。これが夜光雲です。

夜光雲は、高さが 80 km くらいの中間圏に、氷の粒が発生することによってできます。夕方、地上付近は日が沈んでしまっていても、地球の丸みのために高さ 80 km にはまだ日が当たっている時に、この氷の粒が太陽光を反射して明るく輝くのです。通常の雲の高さはせいぜい 15 km くらいですから、夜光雲は非常に高いところにあることがわかるでしょう。

夜光雲が現れる、ということは、この高さの中間圏の温度が非常に低くなっていることを表しています。16 で述べたように、地球が温暖化すると中間圏は寒冷化すると予想されるので、夜光雲の現れる頻度を長期的に観測することも、地球の温暖化をモニターすることになるのです。