8.大気のてっぺんにも潮の満ち引きがある?

超高層の大気では、海と同じように潮の満ち引きがあります。海の場合は、月と太陽の重力によって、海の水が1日に2回、増えたり減ったりします。超高層大気の潮の満ち引きは、月と太陽の重力ではなく、太陽の光によって大気が暖められることにより生じます。太陽の光が当たる昼間側は照らされて大気が膨張し、そのふくらんだ大気が夜側に向かって吹き出すのです。私たちは地球の上で、この昼から夜への吹き出しの中を 1 日に 1 周しますので、夕方では風が東向き(昼から夜)、朝は風が西向き(昼から夜)というように、1 日かけて変化します。これを大気潮汐ちょうせきと呼びます。

さらにこの大気潮汐ちょうせきは、周期が 24 時間のものだけでなく、そこから分かれた 12 時間、8 時間、6 時間などのいくつかの周期 に分かれて、超高層大気の複雑な風速変動を起こしているのです。