28.電離圏に泡ができる?(プラズマバブル)

赤道域の電離圏では、夕方の日が沈む前後に、電離圏 F 領域に巨大な泡(バブル)ができることがあります。プラズマバブルです。プラズマバブルは、東西方向に数十 km-数百 km、南北方向は数千 km にわたって、文字通り泡のように電離圏の電子密度が減ってしまい、それがどんどん上空に向かって広がっていく現象。

その生成メカニズムがある程度わかってきました。電離圏下部は夕方、軽い油の上に重い水が乗ったような不安定な構造になっており、これが、下層の大気中を伝わってきた大気重力波などによって揺すぶられ、一気に崩壊してできる、と考えられるのです。プラズマバブル現象は、後述するように人工衛星からの電波を遮ったり、いろいろな問題を起こします。

大気光を通して撮影されたプラズマバブル(鹿児島県佐多観測点)。