23. 地磁気観測所ってどこにあるの?

世界中に100か所以上あります。日本の標準観測所は、茨城県石岡市柿岡(かきおか)にある気象庁地磁気観測所です。もともとは、第1回国際極年(1883~1884年)を契機に東京の赤坂で観測を始めたのですが、1913年に現在地に移転して観測を続けてきています。

気象庁は、柿岡以外に北海道の女満別と鹿児島県の鹿屋に出張所を持って、日本列島全体の地磁気の変化を正確に測定し続けています。他に、国土地理院の観測所が千葉県鹿野山と岩手県江刺に、海上保安庁の観測所が八丈島にあって地磁気観測を行っています。

鉄でできたものや電気をたくさん使うものは、どれも地磁気の測定にとってじゃまなノイズになります。従って、地磁気観測所は、すべて市街地から遠くの、環境の良い場所にあります。地磁気は、地球システム全体の活動を反映したものであり、その時間的な変動から太陽̶惑星間空間-磁気圏の環境変動を知ることができる貴重なものです。従って、日本では、特別な法律によって柿岡の地磁気観測所の観測環境が守られています。

例えば、最近開通したつくばエクスプレスや常磐線の電車は交直両用で、地磁気観測に影響を与えそうな場所を走る時は、影響を与えにくい交流で走るようにできています。