43. 磁場を感じる動物がいる? - その 2

細菌の仲間にも磁場に敏感な種類がいます。走磁性細菌と言われ、磁場の方向に動く性質をもっています。このような細菌は、泥の下の方に進むために磁場の方向を使っていると推測されます。敵から逃れるためか、このような細菌の好む低酸素の場所へ移動するとき、磁場を使うというわけです。

北半球の細菌は磁場の方向、南半球の細菌は磁場と逆の方向が地中深い向きです。南北半球の細菌を移し替えてやると、もはや生きていけないということになりますね。磁場の方向が地面に平行になる赤道付近に棲む細菌は、また別の生きるすべを心得ているのでしょう。

走磁性の細菌には、磁針がびっしりとつながっているのが発見されています。

走磁性細菌の鉄粒子。細胞の左側に沿ってじゅず状に並んだ約20個の磁鉄鉱粒子がみられる。