13. 放射線帯を作る実験をしたってホント?

1960 年代、アメリカ合衆国と当時のソビエト連邦は、大気圏外での核実験を行っていました。特に有名なのは、1962 年に行われたスターフィッシュ実験と呼ばれるプロジェクトで、大気圏 外で水爆の実験が行われました。この実験により、核爆弾によって作られた大量の高エネルギー粒子が磁気圏中にばらまかれ、人 工的に放射線帯が作られたのです。

このときの人工放射線帯のふるまいは詳しく研究され、粒子が どのように運ばれ、分布するのか、また、どのように減っていく のかなど、放射線帯の粒子の研究に役立てられました。しかし、 人工的に作られた放射線帯は非常に強かったため、実験後は数年 以上にもわたり、自然に存在する放射線帯の状態が大きく変わってしまいました。現在では、大気圏内外での核実験は禁止されて います。

スターフィッシュ(starfish) は、英語でヒトデのことです。