15. 放射線帯粒子の基本的な運動ってなに?

磁場の中での粒子の運動には、サイクロトロン運動、磁場勾配 ドリフト運動、磁場曲率ドリフト運動があると説明しました。こ の運動に基づいて、放射線帯粒子は次の 3 つの基本的な運動をしています。

  1. 磁力線のまわりをぐるぐる回る(ジャイロ運動)
  2. 磁力線に沿って、南北を往復する(バウンス運動)
  3. 磁力線を横切って、地球のまわりをぐるぐる回る(ドリフト運動)
粒子のドリフト運動(エネルギーが1 MeV 電子と10 MeV 陽子について)。
地球磁場の中での荷電粒子の運動。

このうち、①と②がサイクロトロン運動に、③が磁場勾配ドリフト運動と磁場曲率ドリフト運動に関係しています。③では、プ ラスの電気を持ったイオンは西向きに、マイナスの電気を持った 電子は東向きに地球のまわりを回ります。そのスピードはエネル ギーによって変わりますが、地球から 36000 km 上空の「ひまわり 6 号」衛星がいるあたりでは、約 10 分から 1 時間で地球を1周します。