37. スペースシャトルで、宇宙放射線に関係した実験が行われている?

スペースシャトルでは、宇宙放射線環境の計測だけではなく、実験も行われています。スペースシャトルや国際宇宙ステーションの軌道領域での宇宙放射線を計測し、あわせて人体・生命への影響を評価するというのがその目的。

たとえば、人の体に似せた物質で人体モデルを作り、そのモデルに吸収された放射線を調べたり、放射線によって遺伝子などが損傷を受けた場合、どのように修復されるのかを研究するのです。日本の宇宙航空研究開発機構も、独自にプログラムを企画・実施しています。

ほかにも、無重力や高真空状態といった宇宙空間ならではの環境を活かして、生物、物質科学、材料製造など、さまざまな分野に関連して実験が行われています。人類にとって、宇宙空間は決して安全な環境ではありません。しかし逆に、宇宙空間の環境を利用することで、地上では難しい実験や研究を行うことができるのです。

人体への放射線の影響を調べるためのモデル。フレッドと名付けられています。