34. 放射線帯の粒子はオーロラを光らせる?

オーロラは、磁気圏から降り込んできた荷電粒子が、上空の大気と衝突して発光する現象。地球では、磁気圏の夜側のプラズマが豊富にたくわえられているプラズマシート(21 の図参照)から、数百 eV から 10 keV くらいの粒子が振り込んできて、オーロラを光らせます。発光する高さは、降り込んでくる粒子のエネルギーによりますが、おおよそ 100 - 200 km。

放射線帯の粒子だって大気に降り込んできているのですから、オーロラが光りそうなものですね。しかし、オーロラを光らせているプラズマシートの粒子に比べて、ずっと数が少ないため、発光が見えることはありません。もし、降ってくる放射線帯の粒子の数が多ければ、オーロラよりも低緯度で光るでしょう。実際、かつて水爆を使った実験により、磁気圏で人工的に放射線帯を作ったときには(13 参照)、赤道の上空でもオーロラが見えたということです。