38. 放射線帯の粒子は宇宙旅行に影響する?

放射線帯にある高エネルギー粒子がもし人間に当たったら、細胞が破壊されるなど、非常に危険です。高いエネルギーを持つ粒子は、宇宙船の機械を誤作動させることも…。放射線帯の粒子は、宇宙空間での人類の安全・安心な活動を脅かす危険な存在ですね。

現在、宇宙空間で、常に人間がいて活動しているところは、高度約 400 km の国際宇宙ステーションの領域。この領域の放射線環境は、もちろん人間にとって危険ですが、放射線帯の中心部よりは、粒子の数が少なくなっています。

しかし、将来、月や火星へ人間がいくことになったら、放射線帯の中心を横切らなくてはなりません。特に火星にいく場合には、地球の磁場のバリアの外に飛び出すわけですから、宇宙線や太陽放射線を浴びる量も、ずっと増えることになります。

後で説明しますが(40 参照)、放射線帯による影響を少しでも減らすために、たとえば、人工的に電波を放射して放射線帯粒子 を減らす研究も行われています。