44. 放射線帯はどのように調べられているの?

放射線帯の粒子は目で見ることができません。そのため、粒子計測装置を人工衛星に搭載して、放射線帯の中で直接調べることになります。計測装置にはいくつかの種類がありますが、「半導体検出器」を用いる方法が一般的。科学衛星が観測する詳細なデー タを解析することで、放射線帯の粒子変動を解明します。科学衛星から得たデータの中には、放射線帯の粒子だけではなく、その変動に影響を及ぼしていると考えられる磁場や電場、プラズマ波動といったものも含まれています。

最近では、放射線帯の粒子の変動をリアルタイムで知ることができるようになり、宇宙環境を把握する上で大きな役割を果たしています。アメリカでは、GOES/NOAA のような気象衛星や、GPS 衛星に粒子計測器を搭載し、時々刻々と変化する粒子の数を測っています。放射線帯粒子や磁場を計測する装置を、気象衛星などの実用衛星に搭載することは、今後ますます重要になるでしょう。