24. 放射線帯の粒子は日本の上空にもきている?

日本の緯度は北緯 20 - 40 度付近ですが、地球磁場の緯度ではもっと低緯度になっており、日本を通る磁力線は、放射線帯の中 心位置よりも内側を通っています。そのため、日本上空に存在する放射線帯粒子は、ふつうはそれほど多くありません。

しかし、磁気嵐のように、放射線帯の中心が地球方向に移動し、 また粒子の数がとても多く増えるときには、日本の上空にも放射 線帯の粒子が降ってきます。事実、2003 年 10 月に発生した巨大磁気嵐のときには、日本上空にも大量の放射線帯粒子が降って きたことが、人工衛星の観測からわかっています。

23 の図と同様の計測による分布図の一部を拡大。磁気嵐のときには、北海道上空にも放射線帯の電子が降り注ぎます(カラーページ参照)。