13. オーロラが輝くのはなぜ?

オーロラは、高度数百kmの超高層の大気に、磁気圏から降り注ぐ粒子が衝突することで光っています。特に、サブストームと呼ばれる、磁気圏のエネルギーが爆発的に解放されるときには、磁気圏ではオーロラの源となる電気を帯びた粒子がたくさんふえ、また電離圏にはオーロラジェットと呼ばれる非常に強い電流が流れます。地上の送電網に障害が発生しやすくなるのはこのジェット電流の影響です。

カーテンや渦の形をしたオーロラが動いている様子を、テレビなどで見たことがある人も多いでしょう。オーロラにはいろいろな色や形、動きがありますが、真夜中に近い時間帯で、突然オーロラの形が一気に崩れて明るく光り出し、何時間も空全体がオーロラの光に覆われることがあります。これは、「オーロラ爆発」とかオーロラブレイクアップなどと呼ばれている現象です。

1964年、アラスカ大学の赤祖父博士は、世界各地で撮影された何千枚ものオーロラ写真から、北極を中心としたオーロラの大きな輪(オーロラオーバル)の形状が複雑に変化するという、オーロラ爆発の全体像を初めて明らかにしました。その後、1981年になって、アメリカのDE(Dynamics Explorer)1号衛星が、宇宙からオーロラ嵐の全体像の写真をとることに成功しました。赤祖父博士が明らかにしたオーロラ嵐爆発の全体像が正しかったことが証明されたのです。赤祖父博士や赤祖父博士の指導教授でもあったチャップマン(第6問参照)は、このオーロラ嵐が繰り返しおきることによって磁気嵐(ストーム)が発達すると考え、オーロラ嵐のことを「サブストーム」と名付けました。ちなみに、第12問で登場した杉浦博士は、オーロラ電流の規模を表すAE(オーロラエレクトロジェットの略)指数も考案しています。