31. 宇宙天気予報ってなに?

これまで紹介してきた宇宙天気に関係した障害を未然に防ぐための予報は、宇宙天気予報と呼ばれています。1957年に世界初の人工衛星「スプートニク」が打ち上げられて以来、人類は5000機以上の人工衛星を宇宙に飛ばし、宇宙を開拓してきました。人工衛星1機が破損すると数百億円相当の損害とも言われていますから、宇宙天気予報は衛星関連業界では既に必要不可欠なものになっています。ほかにも電力会社、航空会社やツアー会社、アマチュア無線でも宇宙天気予報が利用されており、利用者はどんどん増える一方です。

ISESの世界分布図

現在は国際協力でISES(International Space Environment Service)という組織を結成し、24時間休みなく宇宙環境の観測データや宇宙天気予報データの交換を行っています。世界に13の拠点があり、日本では情報通信研究機構がISESの一員として活躍しています。この情報通信研究機構では、週間宇宙天気ニュースという番組も配信していて、宇宙天気の様子をわかりやすく解説しています(口絵参照)。

天気予報では、気温や風速を世界中のあちこちではかったり、人工衛星から雲の写真をとったりすることでデータを集めていますが、宇宙天気予報では、どうやって予報に必要なデータを集めているのでしょうか。また、宇宙天気には実際にどんな規則性があるのでしょうか。ひとつひとつ見ていくことにしましょう。