35. 宇宙嵐が約27日で繰り返すのはなぜ?
太陽は約25日で自転していますが、地球が公転運動をしているために、地球から見ると約27日で一回転していることになります。そして、宇宙嵐も約27日間隔で繰り返しおこりやすいことが知られています。この2つの事実は、太陽面の一部分が宇宙嵐をおこす原因になっていて、その場所が約27日おきに地球を向くたびに、宇宙嵐がおきていることを想像させます。
ところが不思議なことに、その原因になっていると思われる太陽面の一部分を望遠鏡で詳しく調べても何もありません。そこで、1970年代以前には「ミステリー領域(M-region)」と呼ばれて盛んに研究されました。
1970年代に入ると、世界で初めての宇宙ステーションである「スカイラボ」から、太陽の紫外線・X線写真をとれるようになり、ついにミステリー領域の正体がわかりました。そこには実際に何も無く、むしろコロナにぽっかりと大きな穴があいているような特殊な場所だったことがわかったのです。
現在「コロナホール」と呼ばれているこの領域からは、まわりよりも速い太陽風が吹き出していることがわかっています。この高速風は、まわりの遅い太陽風を押し付けることで、惑星間空間に磁場が強い領域を作ります。この強い磁場の領域が、約27日おきに地球にぶつかってくることで宇宙嵐を繰り返し引きおこしていたのです。