38. 宇宙天気予報はどれくらい進んでいるの?

宇宙天気予報は、天気予報よりも歴史が浅く、まだわかってないことが多いため、いまできる予報は限られています。たとえば、いつどれくらい強いフレアがおきるか予報することはとても難しいのです。現在、世界中で、コンピューターシミュレーションにもとづいた数値予報の研究や、これまでの長期間のデータ解析にもとづいた確率予報の研究が行われています。名古屋大学の放射線帯予報の場合には、NOAAが定める放射線帯粒子の警戒水準を超える確率を発表しています。ちょうど、お天気の降水確率が、1mm以上雨の降る確率を発表しているのと同じですね。こういった予報の結果は、インターネットのページで見ることができます。

ところで、地震や、台風などの天気予報には、強さを表す基準が用いられます。ここでは、情報通信研究機構で使われている宇宙天気予報の基準を紹介しましょう。フレアの予報では、下の表に示されているように、静穏、やや活発、活発、非常に活発の4段階に分かれています。

表:フレア予報
静 穏Cクラスフレアの発生確率が50%未満
やや活発Cクラスフレアの発生確率が50%以上。
活 発Mクラスフレアの発生確率が50%以上。
非常に活発Xクラスフレアの発生確率が50%以上。
(フレアの強さは、A, B, C, M, Xという順番で10倍ずつX線が強くなります。)