50. 未来の宇宙天気は?

太陽は11年周期で、活発になったり静穏になったりしています。今回の第24周期の極大期は2014年でしたが、第25周期が2020年ごろから始まることが予想されています。では、第25周期では第24周期以上に太陽の黒点は増えるのでしょうか、あるいは活動は衰えるのでしょうか?

太陽の長期的な変化は、ダイナモと呼ばれる太陽内部での発電作用によって引きおこされていると考えられています。しかし、太陽のダイナモの仕組みはまだよくわかっていないために、太陽の活動を予想することは難しいのです。このため、第25周期の太陽活動がどのようになるのかについては、科学者によって意見が異なりますが、どんどん弱くなるのではないか、と考えている研究者が多数派です。

マウンダー極小期:ロンドンのテムズ川が凍り、人々がスケートをしている様子が描かれています。

2008-2009年は、記録的に長い期間、黒点が出てこなかったことで大きな話題になりました。1700年代には、70年も黒点が消え続けたことがあります。マウンダー極小期と呼ばれています。このときには、テムズ川が凍るなど地球が寒冷化したことが知られています。もし第25周期の極大期に黒点が現れないあるいは黒点の数が極端に少ない場合には、地球が再び寒冷化するのではないかと予想している科学者もいます。

宇宙の天気の様子を理解し、その予報を実現するために、世界中の科学者が研究を続けています。未来の宇宙天気は、宇宙旅行などを通して、今よりもずっと身近なものになっていることでしょう。読者の中には将来、宇宙天気予報を気にしながら、惑星に降り立つ人がいるかもしれませんよ。