45. 月に住むにはどうしたらいいの?

人類がはじめて月におりたったのは、1969年の「アポロ11号」です。21世紀になって、月の資源探査や将来の月での生活を目指して世界各国が次々と月探査衛星を計画しています。

月には磁場がなく大気もないため、宇宙放射線の影響をまともに受けてしまいます。月が地球の昼側、つまり地球磁気圏の外にあるときには、地球磁気圏の中よりも強い宇宙放射線をあびてしまいます。そのため、月で長期間滞在する場合には、構造物の上に大量の月の土をかぶせて放射線を遮断し、その中で居住することなども考えられています。そして、太陽活動の様子や宇宙放射線の様子を見ながら、危険な時期には月面での活動を避けるということも必要になってきます。

この宇宙放射線の影響は、私たちが宇宙旅行をする場合にも深刻な問題です。最近では、旅行会社が宇宙旅行の宣伝をしているのを目にすることも多いでしょう。長時間宇宙に滞在する場合には、宇宙放射線による被ばくの問題が避けられません。宇宙天気予報によって、いつ宇宙放射線が増えるのかといったことを事前に把握することがとても重要になってくるのです。

日本の月探査衛星「かぐや」が撮影した美しい「地球の出」(表紙裏)に感動した人も多いでしょう。実は、あの「地球の出」は月面からでは見ることができません。それは、月が地球に対して常に同じ面を向けているからなのです。すなわち「地球の出」は、「かぐや」衛星の動きによるものなのです。

満地球の出