46. 日本でもオーロラが見られることがあるのはなぜ?

太陽活動が活発になると、日本でもオーロラが見えたという話を耳にしますね。最近では、2003年10月末の巨大磁気嵐(アメリカで行われているハロウィンのお祭りの週におきたので、ハロウィンイベントと呼ばれています)のときに、北海道でオーロラが見えました。日本で見えるオーロラは、カムチャッカ半島などの上空に出現したオーロラの高度が高い部分を見ていることがあります。高度が高い部分のオーロラは赤く光るので、日本では赤いオーロラが見えることが多いのです。また、そういったオーロラとは全く違う仕組みで光っている、サーアーク(Stable Aurora Red arcの頭文字からSAR arc といいます)と呼ばれる赤いオーロラが日本で見えることもあります。

りくべつ宇宙地球科学館(北海道陸別町)。大きな磁気嵐のときには、赤いオーロラが見えることもあります(口絵参照)。

このように、巨大な磁気嵐が発生することで、オーロラの環が緯度の低い地域にまで広がることが、日本でもオーロラが見られる原因です。江戸時代の西暦1770年9月17日には、なんと京都の夜空の半分を覆うほど巨大な赤いオーロラが出現していたようで、扇形にオーロラが広がっている絵図が残されています。これほど大きな磁気嵐が起こってしまうと、現在では深刻な停電被害が予想されるため、喜んでいられません。めったにないことですが、いつか必ず起こることでもあり、停電被害を最小限にするための対策が各国で進んでいます。

日本の最古の天文記録は、日本書紀に出てくる「赤気」だと言われています。具体的には、620年12月30日に雉の尾のような形をした赤い光が夜空に現れた、と書かれていますので、この赤気もオーロラだった可能性があります。1400年前の日本人が、オーロラを見て感動していたのかもしれませんよ。