43. 宇宙のごみ問題ってなに?

近年、宇宙空間でもごみ問題が深刻化しています。それは、寿命が尽きた人工衛星やロケットの残骸、破片が何百万個も地球のまわりの宇宙空間をただよっているからです。こういった宇宙のごみ(デブリ)が、活動中の人工衛星にぶつかると障害が発生したり、ときには衛星本体を壊してしまいます。また、通常の宇宙デブリは地上に落ちてくる間に大気との摩擦で燃え尽きてしまいますが(第25問)、大きな宇宙デブリになると燃え尽きずに地上に落ちてきてしまいます。実際、1978年には旧ソ連の軍事衛星の残骸がカナダに落下しました。また、2001年にはロシアの宇宙ステーション「ミール」の部品約20tが燃え尽きずに、南太平洋に落下したことがあります。2009年には、高度800kmを飛んでいたアメリカとロシアの人工衛星がぶつかるという事故もありました。

現在では国際的な取り組みにより、新たな宇宙ごみをださない工夫が行われています。寿命を終えた静止軌道衛星は他の衛星と衝突しないように、軌道を変えたり、大気との摩擦で確実に燃え尽きさせるという決まりがあります。また、すでにある宇宙デブリを回収する研究も進められています。地球でも宇宙でも、ごみをださないエコな工夫が必要ですね。