雪 と 氷

15. 極域にある氷にはどんな種類があるの?

南極大陸やグリーンランドが巨大な氷で覆われていることはよくご存じだと思います。このように広大な地域を覆う陸氷の塊を「氷床」と呼んでいます。極域では降雪のほとんどが融けず万年雪となり、下の方にある雪は圧力をうけて氷にかわります。大陸氷床は大陸の中心地域では厚く、沿岸に向かうほど薄く、大陸全体では鏡餅のような形になります。グリーンランド氷床よりも大きい南極氷床では、平均の厚さが2450mで、最も厚いところでは4000mを超えます。

大陸氷床は過去数万年にわたる降雪を保持していますが、重力によって内陸部から沿岸域へとゆっくり流動しています。そして、海に押し出された氷床はそのまま海に浮かびます。この時、大陸氷床と繋がったまま海に浮かんでいる氷床を「棚氷」と呼んでいます。南極大陸周辺には広大な棚氷が発達しており、海に突き出た先端部分の厚さは200m以上もあります。2017年には、南極半島にあるラーセン棚氷の分離が大きな話題となりましたが、棚氷はもともと海に浮かんでいる氷ですので、この氷が融けても海面は上昇しません。また、海に流出した棚氷を「テーブル型氷山」と呼んでおり、四国と同じ大きさの氷山ができることもあります。