44. 極地の野外活動で注意することは?

極地の科学観測には、野外活動は欠かせません。北極の野外活動で注意しなければいけないのは、ホッキョクグマ。熊の出現は北極だけでなく、日本でも注意が必要ですね。スヴァールバルの東海域あたりには、ホッキョクグマの生息地があります。ロングイアービエン空港から町までの5kmぐらいの道路でホッキョクグマが出て、人に危害を加えたこともあります。ニーオルスンの科学基地では、野外活動をする人達はライフルの発射訓練を受けることになります。

南極では、動物による危険は全くありません。しかし、注意しなければいけないことは。オングル島にある昭和基地では、海と陸の間には、必ず潮の割れ目(タイドクラック)があります。この割れ目に落ちると、冷たい海水を浴びることになるのです。もっと危険なことは、大陸沿岸地帯の斜面の傾斜が大きいところにできやすいクレバス地帯での野外活動。氷の深いクレバスに落ちると、2度と地上に戻れないかもしれません。クレバスの地帯では、雪上車の運転には目をこらして、また、歩行にはザイルをつけて行動することが必要です。