31.極地では真昼でもオーロラが見えるって本当?

オーロラを起こすエネルギー粒子のふるさとは、太陽と反対方向の夜側の磁気圏にあるため、オーロラは極地の暗い夜で見られる現象であると一般に知られています。しかし、太陽からのエネルギー粒子が、昼間側の磁気圏の「カスプ」という領域から電離圏に入り、真昼でもオーロラが見られることがわかりました。カスプとは「鳥のとがったくちばし」の形をいい現す言葉です。

昼間側の南北両半球間で磁力線がつながっているところと、磁力線が太陽風によって夜側の方へ流されていくところとの境界にあたる領域で、昼間側のオーロラベルトよりやや高緯度側の、磁気緯度で75-76度になります。真昼のオーロラが見えるためには、冬の真昼でも暗くなる地理的に高緯度の場所でなければなりません。このような条件にあるのは、スヴァールバル諸島で、地理上の緯度では77-79度の地域です。

昼間のオーロラは夜のオーロラに比べ、光の強さや動きに華々しさはありませんが、太陽風から地球の磁気圏に直接流れ込む粒子やエネルギーの解明には重要であります。