26. 南極大陸ではなぜ隕石がよく見つかるの?

隕石は太陽系のどこかから飛んでくる地球外物質で、惑星の形成や、宇宙の創造の過程を解明する貴重な資料ですね。日本の南極観測隊は、1969年に昭和基地の南300kmにある「やまと山脈」付近で9個の隕石を初めて発見し、現在では、1万6千個余の隕石を収集し、世界で1、2を争う隕石の保有国になりました。隕石は地球上にほぼ同じ割合で落下しますが、なぜ、南極大陸で多くの隕石が発見されるのでしょうか?

南極氷床上に落下した隕石は、氷床内に埋まりながら大陸の縁へと運ばれます。大部分の氷床は氷山となって海上に流れ出ますが、氷床が内陸の山脈にぶつかるところでは、氷床は山の斜面に沿って上昇し、風でけずられ、なくなっていきます。その結果、埋もれていた隕石が氷上に現れ、発見されやすくなるというわけです。南極の「やまと山脈」で集められた隕石は「やまと隕石」と呼ばれています。