45. 南極ではどんな車が使われるの?

南極での陸上移動手段は主にキャタピラのついた雪上車になります。日本の南極観測では、ルート工作に用いられる小型雪上車、除雪や氷上輸送に用いられる中型雪上車、そして内陸基地への旅行に用いられる大型雪上車など全部で6種類あり、目的に応じて車両が選択されます。これらの雪上車はすべて国産です。

 「しらせ」が到着する12月から1月の夏には、「しらせ」や基地内のヘリポートから観測機材や燃料、食料といった生活物資を保管場所に運ぶために、小型の物資輸送用雪上車が活躍します。しかし、この時期は海氷の厚さが薄く海氷上での行動は危険が伴います。3月になって海氷が厚くなると、浮上型の小型雪上車で海氷上を試運転しながら安全なルートを探ります。浮上型の雪上車は、海氷が割れて海に落ちた場合でも2時間程度は浮かぶことができる設計になっています。大型の雪上車は、昭和基地から約20km離れた大陸氷床上にあるS-16拠点に配備されており、マイナス60度でも走行できます。車内には、二段ベッド、キッチン、発電機が装備されており、キャンピングカーとして利用されています。

内陸基地への旅行に使われる大型雪上車。ドイツ製のPB300(左) と大原鉄工所製の SM100(右)。
提供:国立極地研究所 平沢尚彦氏