オーロラ

29.極地が宇宙への窓とはどういう意味?

地球は、1本の双磁極(棒磁石)がその中心にあると考えられます。南極の磁極から出た磁力線は、宇宙を通って北極の磁極に達します。つまり、地球は磁力線で囲まれた「磁気圏」という領域の中にいることになります。地球から見て太陽側(昼間側)では、磁力線は太陽からのプラズマの流れ(太陽風と呼ばれます)に押されて形になり、磁力線は北極と南極の間でつながっています。

一方、太陽と反対側(夜側)では、極地の磁力線はまるで鯉のぼりの尾のように、太陽風に流されて長くたなびきます。この尾の部分には、オーロラの源であるエネルギーを持った粒子が蓄えられていきます。この蓄えられたエネルギーが爆発的に磁力線に沿って降りてきて、極地の上空100kmから数百kmの「電離圏」と呼ばれる高さでオーロラを発生させます。

磁力線のたなびく様子は、極地では磁場強度の変動に表われます。また、オーロラの発生にともなって、ヒスとかコーラスと呼ばれる低い周波数の自然電波が発生します。このように、極地は宇宙の現象を覗きやすい場所という意味で「宇宙への窓」と呼ばれるのです。