34. オーロラ観測ロケットで何を測るの?

極地ではオーロラ観測のために、全天カメラや、特定の波長の光で子午線方向の強度の時間変化を見る掃点フオトメータ等の装置を使います。これらの観測から、オーロラの光る高度が100kmから数百kmの電離圏と呼ばれる領域であること、つまり、オーロラを起こすエネルギー粒子が磁気圏から電離圏まで降ってくることがわかってきました。このことを直接に確かめるには、オーロラめがけてロケットを発射させる実験が有効です。

昭和基地では、国際的な共同研究にあわせて、約220kmの高さまで飛ぶオーロラ観測ロケットが発射されました。オーロラ粒子のエネルギー分布や、磁力線に巻きつく角度の測定、低周波数から高周波数までの自然電波や電場・磁場が測定されました。地上の全天カメラでオーロラを監視しながら、毎秒1-2kmくらいの速さで動くオーロラにロケットを命中させることは、大変むつかしい観測技術です。